【田んぼ】トラクター 耕うん方法・やり方【図解・作業者視点】
はじめに
米作りに欠かせない耕うん作業、
日本ではトラクターにロータリーを付けて田んぼを耕すのがメジャーですね。
本記事では、米作り初心者向けに田んぼの耕うんについて、
基本的なトラクター設定・深さ調整・速度・回り方を説明をしていきます。
トラクター設定
エンジン回転数 2500回転
アクセルレバーでエンジン回転数を固定します。
大抵は亀とウサギのイラストが描いてあります。
PTOギア 1速
PTO変速レバーをクラッチを踏みながら1速にいれます。
クラッチを離すと、PTO(作業機)が回転します。
最近の機械は、PTOボタンがあります。
「入」にすると、常にPTOが回転します。
「自動入」では、作業機を上げた際と、クラッチを切った時にPTO回転が止まります。
ロータリで耕運する場合は「自動入」にします。
耕運速度 1~3km/h
トラクターのギアを変速し、耕運速度を調整します。
トラクターの馬力や、ロータリーのサイズ、圃場の状態によって速度は異なります。
おおよそ、弊社では2.4km/hで耕うんしています。
機能のON・OFF
4WD機能
4WD機能は四輪駆動でトラクターが動きます。
倍速ターン
旋回をする際に、前輪タイヤが通常より多く回転し旋回がしやすくなります。
AD倍速ターン
旋回する際に、前輪タイヤが通常より多く回転し旋回がしやすくなるのと、
後輪に片ブレーキが掛かり、コンパクトに旋回が出来ます。
オートアップ
ハンドルを一定以上切ると、作業機が上がる機能。
旋回時(Uターン)に便利な機能です。
バックアップ
シャトルレバーをバック(R)に入れると、作業機が上がる機能。
弊社では基本、
4WD機能、倍速ターン、オートアップ、バックアップ
で耕うん作業を行っています。
倍速ターン、AD倍速ターンはとても便利な機能ですが、
湿田などの圃場は荒らしてしまいます。
トラクターによっては名称が違ったり、機能が無い場合があります。
倍速ターン、ADターンはアスファルト等の路面で行うと転倒する恐れがあるので、圃場内だけで使用します。
ロータリー耕運 やり方
ロータリーの高さを調整し、田んぼの表面を均等に耕します。
耕深は、田んぼの土質や作物によって異なりますが、
一般的には10cmから15cm程度が適しています。
設定した耕深に合わせて、ロータリー耕うん機の高さを調整します。
ホイールゲージ
ロータリーにホイール(黒いタイヤ)が付いている場合、
ホイールの高さを変えて調整します。
2つ左右にあるので、両方同じ高さで調整します。
ホイールを上げると、深くなり、
ホイールを下げると、浅くなります。
油圧レバー
作業機を上げ下げするレバーで調整します。
凸凹の圃場では、後輪タイヤが沈んだ分、作業機を上げます。
反対に浮かんだ分は、作業機を下げます。
自動耕深
自動で一定の深さで耕すのを調節する機能です。
使用時は、油圧レバーを最下位置にし、ダイヤルを回して深さを調整します。
深さの確認方法
トラクターを停車させた状態で作業機を降ろし、耕うんします。
耕したら、作業機を上げて1~2m前進します。
トラクターを停車させて、深さを確認します。
適宜調整をしましょう。
ロータリー耕うん 回り方
田んぼでの基本的な回り方
1列目
①乗り入れ口の奥から、ロータリー幅2.5~3列分開け、1列目を耕うんします。
2.5~3列分開ける
作業機を降ろして、耕うんします。
2列目以降
②切り返しを繰り返して、圃場の中間を耕うんします。
作業機を上げ(オートアップ)、旋回します。
4WD機能だけだと、一度で回り切れないので、切り返しをします。
立て直したら、ポンパレバーで作業機を下げ、耕うんします。
外周
③乗り入れ口から外周3周を周り、圃場を出ます。
1周目
乗り入れ口からスタートします。
可能であれば、左回りで回ります。
ロータリーのチェーンケースが圃場の内側に来てやり易いです。
乗り入れ口の都合で右回りでしかできない場合は、落とし口等にぶつけないように気をつけます。
角まで来たら少しバックし、90度旋回します。
バックし、ロータリーを隅まで寄せて耕うんをします。
わだち(タイヤ痕)は2周目で消せます。
2周目
1周目と同様に耕うんします。
1周目に耕うんした列ギリギリに前輪が来たらバックします。
90度旋回し、
1周目で付いたタイヤ痕を耕して消します。
3周目
1~2周目と同じように、
2周目の列ギリギリに前輪が来たらバックし、90度旋回します。
タイヤ痕が2カ所残っているので消します。
2~3m進み、斜めにバックし、3周目に付いたタイヤ痕を消します。
耕運しながら緩やかに旋回
2周目のタイヤ痕を消して耕うんします。
出口
エンジンの回転数を下げて、ゆっくり乗り入れ口に進入します。
機体が斜めになるので、油圧レバーで作業機を調整し、一定の深さで耕うんします。
緩やかに作業機を上げると、土が寄らずに耕うんできます。
圃場を出たら、倍速ターン、ADターンをOFFにします。
以上で完了です。
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