【トラクター修理】作業機が上がらない 油圧ポンプ交換【クボタ MR70】
はじめに
弊社で使用しているトラクター、
「クボタ MR70」
稼働時間は3900時間で、
もう少しで4000時間になります。
そんな悠久の年月を経たトラクターですが、
長時間使用していると必ずどこか壊れるものです。
先日、作業機を上げようとすると、上がってこず、
アクセルと吹かすと、やっと上がってくる様子でした。
実際に圧力計で測ってみると、
10Mpa前後
正常の値は18~19Mpaなので、異常です。
油圧カプラーにセットして計測
考えれる原因として、
・ミッションオイル不足
・油圧のオイルが漏れている
・ミッションオイルフィルター詰まり
・ホース・配管詰まり
・油圧ポンプが壊れている
ミッションオイルはゲージを見るとちゃんと入っおり、
オイル漏れはパッキン・Oリング交換で修理済み。
オイルフィルターも交換。
配管詰まりはあまり考えにくい。
最後に残るは油圧ポンプ
実際に油圧ポンプの交換をしてみたので、
今回は油圧ポンプ交換を紹介していきます。
部品取外し
右後タイヤ 取外し
まず、トラクターをジャッキアップして、
右後ろタイヤを取り外します。
油圧ポンプがタイヤの裏にあるので、
作業しやすいように外しておきます。
燃料タンク 取外し
機体右側の燃料タンクも邪魔になるので、取り外します。
ステップも外しておきます。
燃料を抜きます。
タンクの下側にドレンがあります。
燃料タンクを固定している枠の取外し
機体の下に潜り、前側ネジ2本取外し
枠は上側で引っかかっているので、スライドしてタンクごと外します。
後ろ側ネジ3本取外し
土台の上に燃料ホース2本、太いのと細いのがあるので取外し。
太い燃料ホースはバンド10mmを緩めて、
細い燃料ホースは小さいバンドをラジオペンチで外します。
多少燃料が出てくるので、オイルパン等で受けます。
タンク上部
細いホースと、センサーを取外し
あとはごっそりとタンクが取れます。
ホースにゴミが入らないように封をしておきます。
油圧ポンプ 交換
油圧ポンプ 取外し
油圧ポンプ周りの配管を外していきます。
ポンプ手前の配管2本取外し
ポンプ上部に繋がる配管2本取外し
ポンプ下部のホース取外し
ホース根本の下にネジ1本留まっています。引っ張れば抜けます。
ポンプ自体は、正面から見て右側に上下ネジ2本で留まっています。
軸が刺さっているので、左に抜いて取り外します。
油圧オイルが大量に出てきます。
30リットルくらい出ました。
取り外した油圧ポンプ
油圧ポンプ 取付
油圧ポンプを取り付ける際、
配管やホースに繋がる部分のパッキン、Oリングは全て交換しておきます。
ゴミが入らないように、パーツクリーナ―等で念入りに掃除してから、取付をします。
事前に下部のホースをポンプに付けてから、
ポンプを取り付けたほうがやり易いです。
その際、バンドは緩めておきます。
ポンプの軸を挿入して、すべて仮止めしてから本締めします。
油圧の圧力を見る
油圧ポンプの交換ができたら、実際に圧を計測します。
燃料タンクを取付し、少し燃料を入れておきます。
抜けた分の油圧オイルを機体に入れます。
詳しくは下記の記事をご参照下さい。
【トラクター】ミッションオイル・フィルター交換【MR60・65・70・77・87・97】
エンジンを掛け、アイドル状態で油圧レバーを引き、圧力を確認します。
見事、19MPaありました。
もし、圧力を微調整する場合は、
↓画像の部分で圧力を変えます。
根本のナットを緩めて、軸を回転すると微調整が可能です。
調整を終えたら、ナットを締めます。
圧を確認したら、タイヤ等を取付して完了です。