【田んぼ】コンバイン稲刈りの順路 方法・やり方【図解・作業者視点】
はじめに
田んぼで重要な作業の一つである
「稲刈り」
収獲の時期は品種によって違いますが、
だいたい、8月下旬~11月中旬に行われます。
一般的にコンバインという機械で稲刈りを行いますが、
乗り方によって収量が変化したり、
機械を破損してしまう恐れがあります。
本記事ではコンバインの稲刈りの仕方について、
圃場での順路・稲刈りのコツ等、
解説をしていきます。
稲刈りの順路とコツ
稲刈りをする順路を説明します。
今回は例として、以下の形の圃場で稲刈りします。
入口
最初に乗り入れ口に入ります。
もし、乗り入れ口が右側にある場合、
以下の記事をご参照ください。
コンバインのギアを「低速」または「作業」に入れます。
こぎ胴・刈刃を動かし、
オートクラッチ(刈取部を上げたら止まる機能)を切っておきます。
ナローガイド(機体左側面の分草かん)があれば開きます。
速く進入すると稲が詰まってしまったり、
爪先が地面に刺さってしまうので、
かなり低速(0.1m/s ~ 0.5m/s)で進入します。
刈取部は進入しながら徐々に上げていき、
機体が水平になるにつれ、刈取部を下げていきます。
爪先が稲に隠れて高さが分からなくなるので、
一番右の爪先を見ると分かり易いです。
乗り入れ口部分が刈取れたら、外周を刈っていきます。
外周1周目 序盤
基本的に、コンバインは左回りに稲刈りをします。
右の爪先を見て、あぜ際(壁)と稲の間に来るように調整します。
また、こぎ胴の入り口を見て、
穂先が適切な位置にあるか確認します。
目印から穂先がズレていたら、深さを調整します。
こぎ深さについて、詳しく下の記事で記載しています。
爪(刈刃)の高さは地面から10cm前後にします。
刈り高さが高すぎると、切株が高くなっていしまいます。
反対に低すぎると、地面を掘ってしまう可能性があります。
速度はゆっくり(0.5~1m/s)で刈り取ります。
外周は草が多かったり、稲が密集しているので、負荷が掛かり易いです。
適切な速度は機械によって違うので、
以下の記事をご参考ください。
記事↓
【コンバイン】〇〇m/sがベター 適切な刈取速度とは? 【スピード・速さ】
YouTube↓
四隅の刈り方
四隅まで来たら、上画像の順番通りに斜めに刈っていきます。
四隅①
端まで来たら、隅を刈ります。
通常では爪先と刈刃の間分、稲が刈れません。
刈高さ10cmだと、爪先が↓画像赤い線の畔際に刺さってしまうか、
おおよそ2列分残してしまいます。
なので手刈りをするか、刈高さを変えるか、
最後に右回りで刈っていきます。
効率重視なら高刈りで、
キレイに行うなら手刈り、右回りにします。
爪先が畔の上になる位置まで高くし、隅を刈ると手刈りしなくてもいいです。
しかし、四隅だけ高刈りになってしまいます。
高刈りした稲は、こぎ胴に入る際に浅くなってしまうので、
高刈した部分だけこぎ深さを深くすると、
稲を落とすことなく、籾を処理できます。
畔が高すぎたり、コンクリート等の壁の場合は無理せず、
手刈りで四隅を処理します。
隅を刈ったら機体2~3台分真っ直ぐバックし、②に移行します。
慣れない場合は長めにバックしておくと、やり易いと感じます。
バック中は刈取部が地面に当らないよう、上げておきます。
四隅②
機体を左方向に旋回させます。
旋回は、前進と左旋回で徐々に行います。
機体右側が壁だったり障害物がある場合、
旋回時に機体のお尻が振りだしてぶつかる可能性があります。
その際は、緩やかに旋回して当たらないようにします。
刈取部の右端が矢印の穂をめがけて刈るようにします。
先ほど同様、枕は手刈りまたは高刈りをします。
真っ直ぐバックし、③に移行します。
四隅③
要領は②と同じです。
高刈りして真っすぐバック
四隅で旋回
枕地が刈れたら、出来たスペースで90°旋回を行います。
ミラーを見て後方の畔を確認し、
後進と左旋回で機体を元に戻します。
旋回が速すぎると、機体左側で稲を踏んでしまいます。
反対に遅いと、右後方が畔に乗り上げてしまいます。
機体が真っすぐになったら、前進し枕地で90°回転します。
90°旋回できたら続きを刈っていきます。
圃場によっては落とし口等のコンクリートがあるので、
ぶつけないように気をつけます。
残りの四隅も同様に行います。
外周2周目
1周目と比べて2周目は簡単に行えます。
1周目に刈り取った端の株に、
右の爪先が上に来る位置で刈取します。
四隅に来たら、以下の順番通りに進みます。
外周2周目 四隅①
端を刈り取ったら刈取部を上げ、左45°に旋回します。
外周2周目 四隅②
バックで再度45°旋回し、刈取部を下げます。
後方で畔に乗り上げないよう気をつけます。
外周2周目 四隅③
そのまま刈り進みます。
四隅は全て同じ方法で90°旋回します。
外周2周目以降は同じ繰り返しで刈り進めれます。
もし、②で畔に障害物や壁がある場合、
外周1周目と同じ方法で斜めに刈ってから、
スペースを確保して旋回します。
縦刈り
稲の幅が狭くなってきたら、
縦方向のみで刈ります。
緩やかに180°旋回をします。
操作が簡単で行えるのと、
クローラーにかかる負担を軽減できる、
籾排出時にトラックから遠くならないので効率よく行える、
田植え機で植えた方向と揃うので稲株を割ることなく、
負担を掛けずに刈取できる等、メリットがあります。
ぐるっと回って、
刈取り。
残り一列になったら、
ナローガイドを閉じ、オートクラッチを切ります。
籾の排出
籾が一杯になったら排出をします。
オーガを展開する際に電柱等に当らないように気をつけます。
オーガは機体の右横または後方で排出します。
右横で排出↓
奥行の調整はオーガの円周で、
左右は機体の前進・後進で調整します。
後方で排出する場合は、
奥行を機体の前進・後進で、
左右はオーガの円周で調整します。
イセキのズームオーガ(伸び縮み)を使用する場合、
籾が残った状態でオーガを収納・縮小させると、
籾が詰まるのでご注意ください。
圃場から出る
車が来ないか左右確認をします。
刈取部を上げておき、ギアは低速でゆっくり出ます。
出た後の旋回時に、障害物等にぶつけないよう気をつけます。
以上でコンバインの稲刈りは完了です。
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